マルカ林業では皆伐跡地のすべてでスギ・ヒノキを主とした植林をおこない、積極的な保育作業で早期の森林再生を図っています。
植栽
伐採跡地ではスギ・ヒノキを中心としてヘクタールあたり2500~4000本の苗木の植栽を行います。現場の地形や地質などの環境を考慮しながら、植える樹種や密度を決定します。

鍬で1本1本植えます
獣害対策(防獣ネット)
近年はシカの増加による苗木の食害が深刻化しています。何も対策をしなければ植えた直後の苗木が全滅に近い被害を受けることも珍しくありません。その対策のひとつが防獣ネットです。植栽地全体を頑丈なネットで囲うことで、シカの侵入を防ぎます。

このように植栽地を囲う長大なネットを張ります。
しかし、動物にかじられて破れたり周囲からの倒木や落石が当たって倒されるなどの破損が頻繁にあり、そのたびにシカが侵入して食害が発生します。倒木が当たらないような位置に設置したり、落石が起こりやすい崖や谷部を避けて設置するなどの工夫をしていますが、それでも定期的な巡視と補修は欠かせません。
獣害対策(狩猟)
獣害防止のもう一つのアプローチとして、シカの生息頭数を減らすための捕獲駆除を行っています。そのため社員が狩猟免許を取得し、林内の各所にわなを設置してシカを捕獲しています。平成30年度から本格的な狩猟を開始しましたが、近年食害が明らかに減少し大きな成果を上げています。

広範囲に多数のわなを仕掛けるため、すべてのわなに発信器を取り付け捕獲を感知したらメール通知が入るシステムを導入して巡視の手間を省いています。
下刈り

伐採跡地では、草本植物を主とした先駆種が芽生え、日差しを受けて急速に成長します。これらの生長は非常に速く、植栽した苗木はほどなく覆い隠され、成長を妨げられます。
そのため植栽して当分の間は下草を刈り払ってやる必要があります。その作業が下刈りです。下刈りは植栽木が十分に生長するまで、5~10年程度行います。真夏の炎天下に日陰のない山の斜面での作業はたいへんな重労働となります。
下刈りは造林において最もコストのかかる作業です。弊社では苗木の生長、下草の伸び具合や地利的条件から、当年に下刈りの必要な箇所を見極めたうえで作業を行っています。
切捨間伐

除伐を経て植栽木が生長すると、樹冠が混み合ってきて植栽木同士の生育競争が始まります。この頃になると生長の良いものとそうでないもの、形質の良いものと悪いものとの差がはっきりしてきます。そこで将来性のある優性木の生長のため、妨げとなる木を除いて生育空間と日射を確保してやるための作業が切捨間伐です。
切捨間伐を行うと暗くなった林内に日光が差すようになります。すると林床植生が回復して林地の被覆保護効果が期待できます。そのため切捨間伐は森林の公益的機能を維持するためにも効果的な作業です。