実生
会社の近くの山林には、私が入社した直後から携わり開設した作業道があります。当初は伐採搬出のために開設しましたがその後も、日常の管理道としてまた緑育事業のためのフィールドとしても継続して利用しています。
開設から4年近くが経過して路体もしっかり安定し、盛土の部分もずいぶん緑に覆われてきました。
当初は砂利と赤土の混じった斜面だったところに徐々にコケやシダ類が現れ、いよいよ雑草の中から実生の樹木が立ち上がってくるのが目に付きはじめました。
そのなかで一気に伸び上がってきたのはキリ。いつの間にかどこかから種が飛んできて、気づいたときには馬鹿でかい葉を展開していたりするやつ。明るくなった林内で大きな葉っぱに光を受けて、ここからあっという間に大きくなるでしょう。
ソヨゴ。作業道開設の際に伐採され、いったん掘り上げた切り株を路肩の補強のために埋めつけたところからの萌芽更新。なんてたくましい。
こっちはアブラギリかな?民家のある近くで植えてあるのを見ることがあります。このへんでは見かけないけどどこから来たんだろうか。よく育ってる。
なぜかナンキンハゼ。あまり、というより全く山で見かける木ではないと思うのですが。そういえば事務所の近くに成木があったっけ。鳥が種を運んできたのかな?とにかくこれもたくましい印象。
テンダイウヤク。この山ではわりとよく見かけます。大きくはならないけれど密集して株立ちになるような樹形。以上3種を当地の中華三兄弟と命名。
そしてヒノキ。この辺は林床をシダに覆われたヒノキ林ですが、シダのない盛土部分に小さな実生苗がたくさん出てきました。シダも徐々に周囲から侵食してきます。覆われる前に伸びろよ!
最後はスギ。100年生を超える親木の下で、次世代が着実に育っています。
個人的には近年、種を取ってきて蒔いて、芽が出てから苗を育てるというのを半ば趣味化しているのですが、実生苗は意外性があってこれはこれで面白い。これからも彼らの成長っぷりを、ときどき見に行っては愛でてやりたいと思っています。