伐木作業の安全手順および注意事項
伐木作業は、重量物である立木を重力に従って倒伏させる危険な作業であり、数ある林業作業のうちでも重大事故の発生する確率がきわめて高いとされる。そのため伐倒作業においては作業手順を遵守し安全確認を確実に行うことが非常に重要となる。
伐倒作業の安全手順は以下の通り
- 伐倒する立木の状態を確かめて伐倒方向を定める。
- 樹冠の偏り、樹幹の傾き、ツルがらみの有無、樹幹の枝分かれ、風向き、などに注意を払う。
- 伐倒木周囲の草木を刈り払い、枝を取り除くなどして安定した足場を確保する。
- 退避箇所を選定して速やかに退避できるように整え、指さし確認する。退避箇所ヨシ。
- 伐倒方向に障害物がないこと、人が立ち入らないことを確認して指さし確認する。伐倒方向ヨシ。
- 樹冠の状態をよく見て伐倒可能であることを確かめ指さし確認。上方ヨシ。
- 受け口は下切りと斜め切りの終点が一致するように切る。
- 受け口が完成したら方向を確かめて指さし確認。受け口ヨシ。
- 合図をしてから追い口を切り始める。
- 伐倒が完了したら木の安定を確認してから完了の合図をする。
- 次作業の妨げになる場合は枝払いを行う。
- 補助者がウインチやチルホールで引っ張りながら伐倒作業をする場合はとくに連絡を密にし、補助者は必ず合図を受けてから巻き上げを開始する。
- かかり木になった場合は決して放置せず、速やかに処理する。
- かかり木を倒す際はロープや木回しやウインチを用いて一本ずつ倒すこととし、かかられた木を伐ったり浴びせ倒しは決してしない。
- 伐倒作業を行う際は作業前の打合せを行い、伐倒位置から樹高の2倍の距離内に他者が立ち入らない・立ち入らせないようにする。