マルカ林業 安全作業マニュアル

作業にあたって
  •  常日頃より健康の保持に努め、毎年健康診断を受ける。体調不良時は無理な作業を控える。
  •  緊急時対応のため林内作業は原則として複数人で行うものとし、単独での作業は避ける。
  •  当日どこでどのような作業をしているかを明らかにしておき、途中で変更があった場合はすみやかに連絡し周知する。
  •  降雨・積雪・強風の際は原則として現場作業を行わない。ただし作業箇所や作業内容から十分な安全が確保できる場合はその限りではない。
  •  作業時には携帯電話か無線機を全員が携帯し、常に連絡が取れるようにする。
  •  簡易救急セットは常に携帯し、社用車には担架を含めた救急セットを常備しておく。
  •  労働安全衛生法に基づく資格及び講習の受講を必要とする業務については、有資格者・修了者のみが当該業務に従事する。
現場への移動
  • 林道・作業道は道幅が狭く見通しの悪い箇所も多いため、安全な速度で走行する。また落下物や路盤の陥没、路肩の崩落には特に注意し、適宜減速して危険を避ける。
  • 大雨の後など出水時は危険が大きいため特に注意して走行すること。
  • 未舗装路はスリップやスタックの危険が特に大きくまた路面の損傷も激しくなるため、降雨時の走行は極力避ける。
  • 車両を駐車するときは道幅が十分広く通行の妨げにならない箇所を選ぶ。その際カーブや見通しの悪い箇所、急傾斜地は避ける。
  • やむを得ず傾斜地に駐車する際は、駐車ブレーキを確実に引いた上でギアをローまたはバックに入れ、車輪に輪留めを掛ける。
  • 駐車車両から離れる際はドアロックをかける。
現場での服装
  • 服装は安全で、清潔で、身軽なものを着用する。
  • 作業衣は袖じまりのよい長袖の上衣、裾じまりのよい長ズボンを着用し肌の露出を避ける。
  • 現場ではヘルメットを必ず着用する。ヘルメットは法令で定められた規格にあったものを正しく被りあごひもはしっかり締める。
  • 履物は足に合ったもので滑りにくいものを着用する。
  • チェンソーを使用する時は防護ズボンを着用するかチャプスを装着する。
  • チェ-ンソ-や刈払機を使用するときはフェイスガード・イヤマフ付きヘルメット、防振手袋、安全靴を着用する。
  • 林内では目立ちやすい服装を心がけ、蜂に刺されないために黒色や色の濃い服装は控える。

(安全ポイント)

  • スパイク付き靴を履く場合、岩の上、鉄板などは滑りやすいので十分気を付ける。
  • 寒冷時にチェンソーや刈払機を使用する時は、振動障害予防のためにも暖かく軽い服を着用するとよい。
作業前準備
  • ラジオ体操をし、十分体をほぐす。
  • ツ-ルボックスミ-ティング(TBM)を行い、作業者間で作業内容の周知と作業手順の確認をおこなう。
  • 危険予知活動(KYK)を行い作業の危険性を洗い出し情報を共有する。
  • 作業地内の危険個所(崖や急傾斜地・倒木や転石、浮石・蜂の巣ほか)に係る情報を全員で共有しておく。
  • 緊急時対応の確認をおこなう。

(安全ポイント)

  • 整理、整頓、清潔、清掃、習慣(しつけ)に努める。(5S)
  • 現場毎の作業責任者、安全衛生推進者を選任する。
道具、機械の取り扱い
  • 日頃から手入れをし、整備に努める。
  • 小さいものは紛失を避けるため色テ-プを巻くなどして目立つようにする。
  • ナタ、ノコギリ、カマ等の刃物類は使用者が責任をもって管理し、使い終わったら所定の場所に戻す。
  • 刃物を携行して移動するときは刃にカバーを掛ける。
  • 作業用具は不安定な場所に放置せず、周囲からよく目立つ安定した場所に整理して置く。
  • 作業終了後は使用した機械器具の整備・点検を行い、所定の場所に保管する。故障や不備が発生した場合はすみやかに対処し誤って持ち出さないようにする。
チェンソーの取扱
  • 始動時は周囲に人がいないことを確認する。
  • エンジンの始動はチェンソーを地面において足で押さえるか股に挟んで固定した状態で行うようにし、落とし掛けはしない。
  • 切削時はチェンソーを両手でしっかり保持し、安定した足場を確保してから作業する。
  • キックバックに注意する。
  • 腰から下での作業を基本とし、胸より高い位置で扱わない。
  • 刃は常によく切れる状態を保つ。切れなくなった場合は速やかに交換するか目立てをし、刃が切れない状態で無理な作業を行わない。
刈払機の取扱
  • 始動時は周囲に人がいないことを確認する。
  • エンジンの始動は刈り払い機を水平な地面において片手で押さえた状態で行う。
  • ストラップを必ず取り付ける
  • キックバックに注意する。
  • 作業時は周囲からの安全距離5mを保つ。
  • 刃は常によく切れる状態を保つ。切れなくなった場合は速やかに予備の刃に交換するなどして対応し、刃が切れない状態で無理な作業を行わない。
  • 移動する際には必ずエンジンを停止して刃の回転を完全に止めたうえ、周囲に人がいないことを確認する。
  • 担いで移動する際は作業者間の距離を十分に保つ。
バックホウの取扱
  • 作業前に作業装置や足回りのチェックを行い、摩耗の状態や破損がないことを確認する。
  • 作動箇所には定期的に給脂を行う。
  • 可能な限り水平で安定した場所で作業を行う。不安定な個所は掘削して均すなどして安定を確保する。
  • 傾斜地では排土板を下方に向けて接地させ車体を安定させる。掘削作業の際は必ず行うこと。
  • 傾斜地での旋回は転倒の恐れがあるためアームを縮めた状態でゆっくりと動かす。
  • 側方での作業は最も不安定になるため、アームを伸ばした状態での高負荷作業は行わない。
  • 盛土の路肩は沈下する危険が大きいため、作業時に過大な負荷がかからないように注意する。
  • 作業半径内には立ち入らない・立ち入らせない。やむを得ず立ち入る際にはかならず合図をして互いに確認する。
  • 作業中に運転席を離れる場合は必ず安全レバーをロックすること
  • 作業終了後は、機体を水平な場所に止めてアームを下ろし、排土板を接地させる。やむを得ず傾斜地に止める場合は必ず輪留めをかけること。
クローラダンプの取扱
  • 作業前に足回りのチェックを行い、摩耗の状態や破損がないかの確認を行う。
  • 転輪の支持部には定期的に給脂を行う。
  • 走行時は運転席に着座し、運転席外からあるいは不安定な体勢での操作をしない。
  • 車輌後方の死角に立ち入らない。
  • 過積載にならないよう注意する。
  • 整備時などダンプを上げた状態で荷台下に入るときは必ず安全棒を立てる。
  • 下り坂では速度超過に注意し、スロットルは半開以下にしてゆっくりと下る。
  • 運転席を離れるときは必ず駐車ブレーキをかける。
  • 作業終了後は、機体を水平な場所に止めて駐車ブレーキをかける。やむを得ず傾斜地に止める場合は必ず輪留めを掛ける。
フォークリフトの取扱
  • 作業前に運行前点検を行い、異常箇所がないことを確かめる。
  • 走行時は周囲に人がいないことを確認する。
  • 作業中は作業地内に立ち入らない・立ち入らせない。
  • 荷のバランスを考慮し重心が中央にくるようにすくう。
  • 荷を高く掲げた状態では走行しない。やむを得ない場合は周囲の安全を確認した上で十分に減速する。
  • 荷を積んで降坂するときはバックで運転する。
  • フォークやパレットに人を乗せて運転しない。
  • フォークや荷の下には絶対に立ち入らない・立ち入らせない。
  • 運転席を離れるときは駐車ブレーキをかける
クレーン(ユニック車および天井クレーン)の取扱
  • 作業前には運行前点検を行い、異常箇所がないことを確かめる。
  • アウトリガーを立てる前に接地面の強度と安定性を確かめ、十分な支持力が得られない場合には位置を変えるか敷板を用いるなどの対処をする。
  • ワイヤロープに規定を超える摩耗や損傷を発見した際は直ちに作業を中止し、補修や交換を行う。
  • 吊り荷の下には絶対に立ち入らない。立ち入らせない。
  • 荷掛は吊り荷の重心を見きわめた上で確実に行い、吊り上げる際には地切りをした後に安定を確認する。
集材機の取扱
  • 作業前に始業点検を行い、異常がないことを確かめる。
  • 運転中は作業位置を離れない。 急激な発進や制動をしない。
  • ワイヤロープが乱巻きになった状態で巻き取らない。
  • 荷掛者との合図連絡は特に密に行い、聞き取れなかった場合は必ず再確認する。
焚き火等、火の取り扱い
  • 焚き火をする時はあらかじめ周囲の燃えやすいものを除去する。可能な限りペール缶などを用いて周囲に飛び散らないようにする。
  • 焚き火は常に目の届く範囲で行い、火をつけたままその場を離れない。
  • 乾燥時、風の強い時は失火の危険が大きいために焚き火をしない。
  • 消火時は水をかけるか土で厚く覆い完全に消えたことを確認する。消火後は上に石を置くなどの処置をする。
林内移動歩行
  • 急斜地、足場が悪いところを多く歩行するので、スパイク付きの靴あるいは地下足袋を履き、足元に十分気を付ける。
  • 機械、器具を携行する場合は刃部に必ずカバ-をしたうえで、作業者間の安全距離を保って歩く。
  • 転石や落下物の危険がある箇所では歩行者同士が斜面上下位置に並ばないように注意する。やむを得ない箇所では各自が安全を確認しながら、ひとりずつ通過する。
  • 危険を発見した場合は全員に声をかけて注意を促す。

(安全ポイント)

  • 自分の体力、慣れを過信せず、危険地は回避し迂回する。
作業合図について
  • 作業前に手信号・合図の確認を行う。
  • 合図は指名された者1人が指定の方法で行い、その他の者が勝手な合図をしない。
  • 合図を出す際には退避をし自身の安全を確保する。
  • 見通しの悪い箇所では無線を使う。
  • 合図が十分に確認できなかった場合、見込みで作業をせずに繰り返し確認を求める。