下刈り作業の安全手順および注意事項

 下刈りは、造林木が植栽直後の種間競争に打ち勝てるように、その生育を妨げる草木の繁茂を抑制する目的で行う。したがって作業は雑草木が繁茂し刈払い効果の最も大きいとされる7月から8月にかけて行うことを基本とし、植栽木の樹高が一定以上に成長するまで必要に応じて行うこととする。

 下刈りは造林作業の中で最も手間を要する作業であり、また真夏の炎天下での厳しい作業となり熱中症や虫刺されなどの危険も大きい。そのため可能な限り簡素化・省力化を図るとともに、なおかつ十分な効果のある下刈り手法についての検討と協議を継続して行う。


  • 作業は基本的に刈払機で行う。作業地の条件や安全上の問題がある場合については草刈鎌を用いる。
  • 作業前に各人の作業位置と作業進行方向の打合せを行い、お互いが上下・近接の状態にならないようにする。
  • 作業中は互いの位置に注意を払い、作業間隔を十分にとって半径5m以内に立ち入らない・立ち入らせない。
  • 接近する際は、刈払機のエンジンを停止させ、刃の回転が完全に停止したことを確認する。
  • 刈払い作業は基本的に斜面に対して水平方向へ往復移動しながら、斜面下方から上方に向かって進行する。
  • 刈払いはノコ先を右から左に向けて振りながら刈る。逆向きに刈ると効率が悪いばかりでなくキックバックが起こりやすく危険なので、ノコ先の往復で刈払うことは避ける。
  • できる限り低い位置で刈払うようにし、腰より高い位置での刈り払い作業は危険を伴うために行わない。
  • 刈払い時には造林木を傷つけないように注意する。
  • 林縁で作業を行う際には標柱や獣害ネットを傷つけないように注意する。
  • こまめな休息・給水を行い、体調に異常を感じたときはすぐに作業を休止し、涼しい場所で休息をとる。
  • 刃は常によく切れる状態を保ち、刃先の傷んだものは速やかに交換する。
  • 造林木に巻き付いたツル類は根元から切断して取り除く。