山の遺構
山奥の林道を走っていると、谷川を挟んだ対岸にこんなモノが見えました。
渓谷の岩肌に張り付くような小径。ところどころで自然石の石積みがされています。
これは木馬道(きんまみち)という、昔の人が木材を運び出すために作った道の遺構です。道路網が発達する前のことなので、少なくとも50年とかそれよりはるか前に作られたもののはず。
当時の人はこのように岩を穿ち、石を積み、地を均して道を作り、その上でそりを引いて木材を運び出していたんだそうです。人力で。
こうした木馬道の多くは年月を経て土砂に埋もれたり、地山とともに流れ落ちてしまいましたが、むしろこういった岩場のほうが崩れずに残ってるように思われます。すごい技能というか根性というか、先人の執念すら感じる遺構です。
かねてより私のamazonアカウントがやたらと「誰でもできる石積み入門」というマニアックな書籍を推薦してきやがります。思い当たるフシがないのに嗜好を見透かされたようでうすら恐ろしいモノを感じています。
この木馬道を見てまんまとポチっと購入しそうになりながら、いやそうはいくかと意地を張っている今日このごろですが、下手が作った木馬道よりも早くあっさりと陥落してしまうでしょう。【趣味:石積み】といばって言える日は近いか。
“山の遺構” に対して2件のコメントがあります。
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。
木馬道は良いですね。桟道タイプだと跡が残らないのですが、石垣をちゃんと組んだ路盤は長く残ってくれます。写真を見て南古谷川の軌道跡を思い出しましたが、まだまだ紀伊半島には知られざる木の道の跡が残っていますね。
コメントありがとうございます。
とてもお詳しいですね(^_^; 実際ここ、所々で谷底にレールが落ちているので鉄道が通っていたのかとは思っていましたが、あの石積みこそが軌道跡だったんですね。興味が出てきたので地元の人に聞いてみようかと思います。